建材メーカーを知る⑤ 石膏ボード編
どの現場にも登場する「PB」――見えなくなる建材が、住まいの質を支えている

住宅でも、店舗でも、ホテルでも。工事中の建物に入ると、壁や天井に張られた石膏ボードを目にします。
図面や見積書では「PB」と略され、現場では「ボード」と呼ばれることも多い材料です。PBはプラスターボードの略。吉野石膏の「タイガーボード」という商品名で覚えている方もいらっしゃるでしょう。
仕上げ前にはあれほど目立っていたのに、壁紙や塗装が施されると、その姿は見えなくなります。それでも、その一枚は火の広がりを抑え、音を遮り、壁や天井の平滑さを支え続けています。
今回は、建築現場でおなじみの石膏ボードについて、原料、メーカー、製造、物流、施工、海外事情まで見ていきます。
1.石膏ボードは、なぜこれほど普及したのか
石膏ボードの基本構成は、石膏の芯材を両面から専用の原紙で包んだもの。日本では1921年に製造が始まり、1951年にJIS A 6901が制定されました。長い歴史の中で、壁や天井をつくる標準的な材料になっています。gypsumboard-a.or.jp
普及の理由は、一つの性能が突出しているからというより、必要な性能のバランスがよいことにあります。
加工しやすく、大きな面を短期間でつくれる。壁紙にも塗装にも対応でき、防火性や遮音性も確保しやすい。大量生産によって供給され、用途に応じた種類もそろっています。
なかでも興味深いのが、火に対する働きです。
石膏には約20%の結晶水が含まれています。これは表面が濡れているという意味ではなく、結晶の構造に水が組み込まれている状態です。火災時には、この水が放出される過程で熱を吸収し、温度上昇を遅らせます。工業会では、厚さ12.5mm・910×1,820mmのボードに含まれる結晶水を約3kgと説明しています。gypsumboard-a.or.jp
ただし、石膏ボードを張れば、どんな壁でも耐火壁になるわけではありません。 板の種類・厚さ・枚数に加え、下地、留付け、目地、周囲の納まりまで含めて、壁としての性能が決まります。
2.原料は、鉱山だけから来るわけではない
石膏ボードの原料をたどると、建築とほかの産業との関係が見えてきます。
主な供給源は、天然石膏、工場などで発生する副産石膏、廃石膏ボードから回収した再生石膏です。
石膏ボード工業会の2025年原料統計を整理すると、次のようになります。
原料 | 使用量 | 構成比 |
国産副産石膏・排煙脱硫由来 | 138.1万トン | 約38.8% |
国産副産石膏・その他 | 59.4万トン | 約16.7% |
輸入天然石膏 | 117.9万トン | 約33.2% |
廃石膏ボード由来 | 40.2万トン | 約11.3% |
合計 | 355.6万トン | 100% |
出典:石膏ボード工業会「原料統計」、2025年。構成比は掲載数量から算出・四捨五入。www.gypsumboard-a.or.jp
排煙脱硫石膏は、発電所などの排ガスから硫黄酸化物を取り除く過程で生まれます。公害を防ぐための設備から発生した副産物が、建物の壁になる。石膏ボードは、以前からこうした産業間の資源利用を担ってきました。
原紙にも新聞古紙や段ボールなどが利用されています。新しいボードであっても、その原料には、すでに別の役割を果たしてきた資源が含まれているのです。www.chiyoda-ute.co.jp
一方、この仕組みには変化も訪れています。欧州の業界団体Eurogypsumは、石炭火力発電所由来の合成石膏が減少していくことを原料確保上の課題として挙げています。再生石膏の利用拡大と、天然資源の確保を並行して考える必要があるという立場です。Circularity
日本の2025年統計でも排煙脱硫由来が約4割を占めています。この構成から考えると、エネルギー産業の変化は、今後の石膏原料の調達を考えるうえでも無関係ではありません。ただし、これだけで直ちに供給不足になると判断することはできません。
3.工場では、どうやって板になるのか
石膏ボードは、長い製造ラインで連続的につくられます。基本となる工程は次のとおりです。
原料を受け入れる天然石膏、副産石膏、再生石膏などを受け入れ、製造に適した状態に整えます。
焼成して「焼石膏」にする石膏を加熱し、結晶水の一部を取り除きます。
水や添加材料と混ぜる焼石膏を水などと混ぜ、流動性のある状態にします。
原紙の間に流し込み、成形する連続して送り出される表裏の原紙で挟み、一定の厚さの板にします。
硬化させ、粗切断する水和反応によって石膏が再び固まります。
乾燥・仕上げ切断を行う余分な水を取り除き、所定の寸法に整えて製品にします。
「加熱すると性質が変わり、水を加えると再び固まる」という石膏の性質を、連続生産に利用しているわけです。gypsumboard-a.or.jp
この基本に、繊維や各種添加材料、表面材の工夫を組み合わせて、耐火性、耐水性、硬さなどの異なる製品が生まれます。見た目が似ていても、中身まで同じとは限りません。
4.メーカーを見る――吉野石膏とチヨダウーテ
吉野石膏:製品と工法を組み合わせて選べる
吉野石膏は、1901年に山形の吉野鉱山で石膏原石の採掘から事業を始めたメーカーです。現在の「タイガーボード」という身近な印象の背後には、原料から製品、工法まで積み重ねてきた歴史があります。吉野石膏株式会社のプレスリリース
製品には、普通ボードのほか、強化石膏ボード、硬質ボード、防水ボード、構造用ボードなどがあります。設計・施工の立場で注目したいのは、板そのものの選択肢だけでなく、耐火・遮音の壁システムと施工仕様書が用意されていることです。
例えば、同じ厚さの板でも、一般的な間仕切りと、高い遮音性を求める戸境壁では使い方が変わります。「この板を使う」から一歩進めて、「この壁構成で、どの性能を実現するか」まで確認することが重要です。yoshino-gypsum.com
資源循環では、原料石膏にリサイクル石膏を100%使用する「タイガーR100」を2024年10月に発表しています。吉野石膏株式会社のプレスリリース
チヨダウーテ:再生石膏の活用と、海外グループとのつながり
チヨダウーテも、普通ボード、強化ボード、耐水ボードなどを展開しています。現在はドイツのクナウフグループの一員であり、海外の技術や建築材料を日本市場に導入する取り組みも行っています。チヨダウーテ株式会社
注目したいのが「チヨダサーキュラーせっこうボード」です。廃石膏ボード由来のリサイクル石膏を100%使用する製品で、回収石膏の結晶を大きくする技術が、その利用を支えています。
2026年10月1日の製品ページでは、910×1,820mmの9.5mm厚と12.5mm厚が掲載されています。一般壁・天井に使用するGB-Rの製品であり、特殊な場所だけの環境配慮材ではなく、日常的に使う下地材の選択肢として考えられます。www.chiyoda-ute.co.jp
ただし、ここでいう「100%」は原料となる石膏についての表現です。製品全体の構成材料や、あらゆる現場の廃材が無条件に回収可能という意味ではありません。
また、吉野石膏にも再生石膏100%の製品があるため、「リサイクルはチヨダだけ」という説明も正確ではありません。採用時には、寸法、納期、供給地域、環境情報の評価範囲を比較したいところです。
ほかの製造会社は?
石膏ボード工業会の正会員名簿には、両社以外にも、ジプテック、新東洋膏板、多木建材、北海道吉野石膏、新潟吉野石膏、小名浜吉野石膏などが掲載されています。店頭で目にするブランド名だけでなく、地域の製造拠点や関連会社まで含めて供給が成り立っています。gypsumboard-a.or.jp
5.同じPBでも、種類によって役割が違う
「石膏ボード12.5mm」とだけ書いてあると、必要な性能まで読み取れないことがあります。
主な種類 | 記号例 | 選ぶときの視点 |
普通石膏ボード | GB-R | 一般的な壁・天井下地 |
強化石膏ボード | GB-F | 耐火性を高めた製品。採用する壁構成との適合を確認 |
シージング石膏ボード | GB-S | 吸水を抑えた製品。使用可能な水廻りの範囲を確認 |
普通硬質石膏ボード | GB-R-H | 衝撃や表面の傷への対策 |
構造用石膏ボード | GB-St-A・B | 耐力壁としての仕様、釘、留付け条件を確認 |
化粧石膏ボード | GB-D | 表面の意匠をそのまま仕上げに利用 |
吸音用石膏ボード | GB-P | 穴あき加工などにより室内の反響を調整 |
製品区分と各社の商品名は別なので、名称だけで判断せず、規格記号と性能を合わせて確認します。yoshino-gypsum.com
例えば「強化」は、主として耐火性を高めた区分です。棚やテレビをどこにでも固定できる、という意味ではありません。
また、耐水ボードは、防水層の代わりにはなりません。 常時濡れる場所、結露が続く場所、漏水が入り込む場所では、下地材の選定から見直す必要があります。製品名に「防水」「耐水」とあっても、浴室や屋外のどこにでも使えるわけではないのです。gypsumboard-a.or.jp
6.規格寸法は、間取りや施工の手間につながっている
吉野石膏の普通ボードの掲載寸法を例にすると、次のようになります。
呼び方 | 寸法 | 1枚の面積 |
3×6〈サブロク〉 | 910×1,820mm | 約1.66㎡ |
3×8〈サンパチ〉 | 910×2,420mm | 約2.20㎡ |
3×9〈サンク〉 | 910×2,730mm | 約2.48㎡ |
メートル版 | 1,000×2,000mm | 2.00㎡ |
4×8〈シハチ〉 | 1,220×2,440mm | 約2.98㎡ |
普通ボードの代表的な厚さは9.5、12.5、15mm。ただし、すべての寸法と厚さの組み合わせが常備品というわけではありません。例えば掲載表では、4×8の9.5mm厚はなく、15mm厚は受注品です。yoshino-gypsum.com
Dropboxで参照した『一生使えるサイズ事典 住宅のリアル寸法 完全版』でも、住宅の寸法計画を流通する面材の寸法と関連づけて考えています。
この考え方は、リフォームでも役に立ちます。
例えば、納まり上可能であれば、高さ約2,400mmの壁に3×8を縦使いすると、途中の横継ぎを減らせます。しかし、長い板が階段やエレベーターに入らなければ、その利点を生かせません。板の長さだけでなく、搬入経路、作業スペース、端材、目地処理まで含めて判断する必要があります。
重量も見落とせません。工業会の目安では、3×6の普通ボードは9.5mm厚で約11kg、12.5mm厚で約14kgです。12.5mm厚を50枚まとめれば、概算で約700kg。搬入後の仮置きも、床の条件や荷重の集中を考えて計画する必要があります。gypsumboard-a.or.jp
7.工場から現場へ――供給を支える物流
石膏ボードは大きく、枚数がまとまると重くなり、角や表面の損傷、水濡れにも気を配る材料です。そのため、製造だけでなく物流も重要になります。
典型的には、メーカーの工場から建材商社・販売店・内装資材店などを経て、施工会社や現場へ届きます。取引条件や数量によっては、販売店を通じて手配し、工場から現場へ直接配送される場合もあります。
吉野石膏は、消費地に近い生産拠点と物流体制を自社の強みとして説明しています。身近な建材であり続けるためには、必要な地域へ継続して届けられることも欠かせません。吉野石膏株式会社のプレスリリース
現場で発注するときは、厚さと枚数に加えて、次の情報までそろえたいところです。
製品名・規格記号・寸法・端部形状
必要な認定仕様と、代替品を使用できる条件
納品日、車両の進入条件、荷下ろし場所
軒先渡しか、階上・室内への搬入まで含むか
保管場所と水濡れ対策
端材の分別方法と回収条件
「材料は届いたけれど、必要な階まで上がっていない」「同じ厚さでも指定品と違う」といった食い違いを防ぐためです。汎用品の在庫と特殊品の納期も分けて確認します。
8.誰が張っているのか――大工、軽天、ボード、仕上げの職人
石膏ボードは、一つの職種だけで扱う材料ではありません。
厚生労働省の職業情報では、内装工の専門分野として、鋼製下地組立工、ボード張り工、壁装工などを挙げています。ボード張り工は、鋼製下地や、大工がつくった木製下地にボードを張る仕事です。職業情報提供サイト(job tag)
実際の分担は工事規模や契約によって変わりますが、役割を整理すると次のようになります。
職種・担当 | 主な役割 |
大工 | 木製下地、取付け用の補強、住宅でのボード張り |
軽天工・鋼製下地組立工 | 軽量鉄骨による壁・天井下地 |
ボード張り工 | 切断、割付け、張付け、重ね張り |
壁装工・クロス職人 | 壁紙仕上げに必要な下地調整と壁紙施工 |
塗装工・左官工など | 採用する仕上げに応じた下地調整と仕上げ |
設備・電気工事担当 | 配管・配線、器具位置、開口や貫通部の調整 |
大切なのは、工種の境目で仕事を落とさないことです。
「目地補強は誰が行うのか」「開口後の補修は誰が行うのか」「仕上げ前に誰が下地を確認するのか」。これらを決めておくと、完成後の不具合を減らしやすくなります。
9.施工基準は、板一枚の厚さだけでは決まらない
施工を確認するときは、まず、どの仕様を採用しているのかを明確にします。
JIS A 6901は製品の規格です。一方、壁や天井のつくり方は、設計図書、採用工法の認定書・施工仕様書、適用する工事仕様書などで確認します。製品のJIS適合と、壁全体の性能確保は、それぞれ確認する必要があります。
吉野石膏も、一般工法の説明とは別に、防耐火・遮音の認定構造は認定書どおりに施工するよう明記しています。yoshino-gypsum.com
工業会の施工マニュアルから、一般施工の代表例を挙げます。
確認項目 | 一般施工の例 |
一般壁の留付け間隔 | 在来軸組の一般壁・鋼製下地では周辺部200mm以下、一般部300mm以下 |
一般天井の留付け間隔 | 周辺部150mm以下、一般部200mm以下 |
ボード端部からの留付け位置 | 約10mm内側 |
鋼製壁下地のスタッド間隔 | 1枚張り約300mm、2枚張り約450mmの例 |
重ね張り | 上下の板の継ぎ目を同じ位置にしない |
出典:石膏ボード工業会『石膏ボード施工マニュアル』掲載の一般仕様。耐力壁、認定壁、省令準耐火仕様などに、そのまま転用する数値ではありません。gypsumboard-a.or.jp
特に、木造下地の感覚で「どの壁でも下地は455mm間隔でよい」と考えることや、壁のビス間隔をそのまま天井に当てはめることは避けたいところです。
ビスは、数だけでなく効き方も確認します。浮いた頭は仕上げの妨げになり、深く打ち込みすぎて表面紙を破ると、適切な保持状態を損ねます。専用の留付け材を使い、下地に確実に効かせることが基本です。
10.張り方には、下地に留める方法と、接着する方法がある
木製下地や鋼製下地では、割付けに合わせてボードを切断し、指定の釘やビスで固定します。普通ボードはカッターで加工しやすい材料ですが、硬質品や特殊品では適した工具・加工方法を確認します。gypsumboard-a.or.jp
もう一つ、コンクリート壁などに石膏系接着材で直接張る「GL工法」があります。
こちらは、下地にビスを打って留める施工とは管理のポイントが異なります。吉野石膏は、プライマー、下こすり、接着材の塗付け間隔・量、張付け時間を重要事項として示しています。混練後は原則1時間以内に張り終え、5℃未満や35℃を超える環境での施工を避けるとしています。www.yoshino-gypsum.com
既存のGL壁を改修するときも、新しい壁紙を選ぶ前に、板の浮きや傷み、湿気の影響を確認する必要があります。
11.壁紙や塗装の出来栄えは、その前の工程で決まる
ボードが張り終わった時点で、仕上げの品質はすでに大きく左右されています。
下地の不陸、板どうしの段差、ビス頭、端部の欠け、目地の位置。これらが整っていなければ、仕上げ材だけで解決することには限界があります。
また、目地処理には三つの役割があります。面を平滑にすること、継ぎ目を補強すること、要求される壁の性能を保つことです。吉野石膏も、単に段差を埋めるだけでは十分な目地処理とはいえないと説明しています。www.yoshino-gypsum.com
塗装や薄い壁紙では、わずかな段差や下地の違いが表面に出やすくなります。採用する仕上げに応じて、端部形状、補強テープ、パテ、研磨、下塗りまで検討します。
漆喰などの塗り壁も同様です。チヨダウーテは、アルカリ性の強い材料を適切な下地調整なしで直接塗ると、原紙の劣化、変色、剥離などが起こり得ると注意しています。「自然素材だから、そのまま塗れる」という判断はできません。チヨダウーテ株式会社
設計時には、仕上げ材だけでなく照明も一緒に考えたいところです。壁を横から照らす光や間接照明は、小さな凹凸を目立たせます。仕上がりの見本を、実際に近い照明条件で確認する方法が有効です。
12.現場で、仕上げ前に確認したいこと
完成すると見えなくなるため、確認は工程ごとに行います。
タイミング | 主な確認点 |
張る前 | 製品・厚さ・枚数、下地の間隔・通り、開口補強、配線・配管 |
壁を閉じる前 | 断熱材などの施工、棚・手すり・テレビ用の補強、必要な記録写真 |
張付け後 | ビスの効き、紙の破れ、板の段差・欠け、重ね張りの目地位置 |
仕上げ前 | 指定の目地処理、パテの乾燥、研磨粉、仕上げ材との適合 |
認定壁の施工時 | 指定材料、周囲の納まり、貫通部、開口部、施工仕様との一致 |
棚や手すり、壁掛けテレビなどは、ボードだけに荷重を負担させる前提にせず、適切な下地や補強で支持する計画が基本です。取付け位置が決まっているなら、壁を閉じる前に対応したい部分です。gypsumboard-a.or.jp
漏水した板も注意が必要です。工業会の施工マニュアルは、漏水・雨漏りで吸水した場合、剥落・落下のおそれがあるため張替えを求めています。表面が乾いて見えることと、継続して使用できることは同じではありません。gypsumboard-a.or.jp
13.海外では、どう使われているのか
海外でも、石膏ボードは広く使われています。ただし、「海外」と一括りにすると、寸法や施工文化の違いが見えなくなります。
北米ではDrywall、英国ではPlasterboardという呼び方がよく使われます。メーカーやブランドでは、クナウフ、USGのSheetrock、British GypsumのGyprocなどがあります。
寸法も日本とは異なります。例えばUSGの北米製品には、厚さ1/2インチ、幅4フィート、長さ8フィートの製品があり、換算すると約12.7×1,219×2,438mmです。英国のGyproc WallBoardには、12.5×1,200×2,400mmなどが掲載されています。日本の3×6とは、持ち運びや割付けの感覚が変わります。assemblies-tools.usg.com
さらに参考になるのが、北米の下地仕上げの指定方法です。
Gypsum Associationの「GA-214-2021」では、仕上げ前の状態をLevel 0~5で整理しています。特にLevel 5は、艶のある塗装、濃色の塗装、凹凸が目立ちやすい照明条件などを想定し、継ぎ目だけでなく全面の薄塗り処理まで含めて、表面を均一に整える考え方です。pabcogypsum.com
日本のすべての現場に、この等級をそのまま導入する必要があるわけではありません。それでも、「きれいに仕上げる」を、仕上げ材と光の条件に応じた具体的な仕様にするという点は参考になります。
なお、海外で耐火性能を持つ製品や工法でも、そのまま日本の認定仕様として使えるわけではありません。国内で採用する場合は、必要な規格・認定・施工条件を確認します。
14.解体後のボードを、次の壁へ戻せるか
石膏ボードは、建てるときだけでなく、解体するときにも扱い方が問われます。
新築現場のきれいな端材と、壁紙、接着剤、ほかの建材が付いた解体材では、再生に向けた条件が違います。メーカーの回収には受入基準があり、対象外の材料や異物が混ざれば、そのまま利用できません。www.chiyoda-ute.co.jp
リサイクル製品を採用することに加え、現場で分けること、濡らさないこと、回収先を決めておくことが、資源循環を支えます。
古い建物では、石綿含有の確認も欠かせません。石膏ボードという外見や呼び名だけで判断せず、製品名や製造時期などを調べ、周辺の仕上げ材も含めて確認します。工業会は、過去の石綿含有製品について資料を公開しています。gypsumboard-a.or.jp
安価で身近な材料ほど、解体時には一括して扱われがちです。しかし、一枚ずつの扱いの積み重ねが、次の原料を確保できるかどうかにつながっています。
見えなくなる部分を、どこまで考えるか
壁紙や塗装の色には、暮らす人の好みが表れます。その下にある石膏ボードには、設計者と施工者の判断が表れます。
どの製品を、何枚、どの下地に張るか。継ぎ目をどう処理し、棚や手すりをどこで支えるか。将来の改修や解体で、どう扱えるようにしておくか。
石膏ボードは、完成後には姿を隠します。それでも、美しい仕上がりと必要な性能を長く支えるために、考えるべきことは少なくありません。
「いつものPB」を丁寧に選び、丁寧に納める。その積み重ねが、住まいの質をつくっていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。リフォーム・リノベーション、オーダー家具など、住まいや建築についてのご相談および記事に関するご意見等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。お問い合わせはこちらまでhttps://www.minnanoss.com/contact



コメント