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築40年前後の団地・公団住宅をリフォームする前に間取りよりも先に確認してほしい「設備」の話

近年、中古マンションや団地を購入し、自分らしくリノベーションする方が増えています。


価格を抑えながら、立地の良い住まいを手に入れられることが大きな魅力です。

しかし、築40年前後の団地や公団住宅では、デザインや間取り以上に重要なポイントがあります。


▽それは「設備」です。


私たちもこれまで数多くの団地・公団住宅のリフォームを手掛けてきましたが、新築マンションとは異なる特有の制約に直面することが少なくありません。


▽団地ならではの設備計画


今回ご紹介するのは、小田急江ノ島線「湘南台」駅前にある、神奈川県住宅供給公社が管理する団地でのリフォーム事例です。

1・2階には商業施設が入り、3階以上が住居となる、当時としては先進的な集合住宅でした。

一見すると一般的なマンションと変わりませんが、建物の構造や設備には、現在のマンションとは大きな違いがあります。


▽浴室リフォームで最初に確認すべきこと


築年数の経過した団地では、浴室のリフォームが最も難しい工事の一つです。

現在のマンションでは、各住戸ごとに換気ダクトが設けられていることが一般的ですが、昔の団地では建物中央に共用煙道(煙突)があり、浴室や給湯器の排気をまとめて処理する構造が採用されているケースがあります。

しかし近年の高効率給湯器は性能が向上した一方で、排気方式や設置条件も変化しています。

そのため、

▽現在の設備機器が既存の共用煙道に適合するのか

▽管理組合の規約でどのような設置方法が認められているのか

▽ガス会社やメーカーの施工基準を満たしているか

これらを事前に確認することが非常に重要になります。



▽設備更新がリフォーム費用を左右する


今回の現場では、管理者との協議を重ね、ベランダへ給湯器を新設する方法が採用されました。

しかし、それだけで工事が終わるわけではありません。

ベランダまで

・給水管

・給湯管

・ガス管

を新たに延長する必要があります。

床や壁を一部解体し、配管スペースを確保するため、想像以上に工事範囲が広がることもあります。

中古住宅を購入するとき、多くの方は内装ばかりに目が向きます。

しかし実際には、見えない設備更新に費用がかかるケースが少なくありません。


▽見える配管は「隠す」のではなく「デザインする」


設備更新を行うと、一部の配管が露出する場合があります。

「配管が見えるのは仕方ない」

そう考える方もいらっしゃいますが、私たちは少し違う視点で考えます。

例えば、

造作家具を利用して配管スペースを収納として活用する。

カウンターや収納棚の内部に配管を納める。

空間デザインと設備計画を一体で考える。

設備を隠すだけではなく、暮らしやすさにつなげる工夫もリフォームの大切な仕事だと考えています。


▽構造梁や柱は「欠点」ではありません


築年数の経った団地では、大きな梁や柱が室内に現れていることがあります。

お客様から

「この梁をなくせませんか?」

というご相談をいただくこともあります。

しかし、それらは建物を支える重要な構造体です。

取り除くことはできません。

だからこそ発想を変えます。


▽圧迫感をデザインで和らげる


今回の住まいでは、白い塗装が施された梁や壁が、少し無機質で病院のような印象になっていました。

そこで、天井と壁を珪藻土で仕上げ、空間全体に自然素材ならではの柔らかさを持たせました。

さらに部屋の境界に折れ戸を設け、梁の存在を空間デザインの一部として見せることで、圧迫感を軽減しています。

建物そのものを変えられなくても、見え方や感じ方は変えられます。

これもリノベーションの魅力のひとつです。



▽築古マンション・団地リフォームで大切なこと


最近は築40年以上の団地やマンションを購入し、リノベーションする方が増えています。

立地や価格に魅力がある一方で、設備や管理規約、構造など、新築住宅にはない制約もあります。

だからこそ、

間取りより先に設備を見る。

デザインより先に配管を見る。

仕上げより先に建物の仕組みを知る。

その積み重ねが、後悔のないリフォームにつながります。

私たちは「見た目をきれいにする工事」ではなく、「建物の仕組みを理解したうえで、安心して長く暮らせる住まいづくり」を大切にしています。

古い建物には、新しい建物にはない魅力があります。

その魅力を活かしながら、これからの暮らしに合わせて再生すること。

それが、私たちの考えるリノベーションです。

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